ここまで進んできたあなたは、エムズサーキットのN6クラスで12秒台で走れるようになっているはずです。時に11秒が出るようになったあなたは、さらに上のタイムを目指すことになります。そこで登場するのがオプションパーツです。しかしオプションパーツを取り付ければ必ずラップタイムが向上するということはありません。むしろ走りにくくなってしまうこともよくあります。
今回は中級者以上の必須アイテムとなっているものを中心に、オプションパーツの考え方とセッティングについて考察してみましょう。
オプションパーツを装着する時に絶対にやってはいけないことがあります。それは2つ以上のパーツを同時に取り付けることです。これをやってしまうと、どのパーツがどう影響したのか分からなくなります。パーツ交換もそのセッティングも必ず1ヶ所ずつ変更して10周以上は走行してみましょう。また、今から説明していくオプションパーツはどれから装着していくのかという問題があります。人によって順序は様々ですし、必ず全員が全部取り付けているわけでもありません。もし最初に取り付けるオプションに困ったら、メンバーに相談してみましょう。
■フロントスプリング
フロントスプリングの硬さを変えることで、アンダーステア・オーバーステアを調整できるようになります。ノーマルより柔らかいものから硬いものまで5種類ありますのでじっくり違いを研究しましょう。
■リアスプリング
リアのビヨンビヨンを調整するのに役立ちます。MM用とRM用があり硬さが違うので間違えないようにしましょう。ノーマルより柔らかいものと硬いものが入っていますので、ひとつずつ検証するととても勉強になると思いますよ。
N6クラスのミニッツにフロントとリアのスプリングの選択肢が増えるだけでかなり動きが調整できるようになります。始めのうちはこの2つだけに絞ってじっくり研究するのも悪くありません。既にミニッツをやっていて中級程度の速さの人はこの辺のことは殆どやっていないはずです。更にさらにと装着パーツが増えていっているだけだとしたら、フロントとリアのスプリング交換だけで同じ速さで走ったらさぞビックリするでしょうね。余計なパーツが付いていないミニッツは軽く、軽いミニッツは実はとても速いのです。
■オイルダンパー
これはほとんどの人が取り付けています。実車のショックアブソーバと同じ働きをします。中にはオイルが入っていて、Tバーからの入力をオイルの抵抗で抑制します。つまりTバーのビヨンビヨンが遅くなるというわけです。その結果、リアタイヤが接地している時間が長くなり、加速やコーナリング時の踏ん張りがよくなります。封入されているオイルの粘度を変えることで効き具合を調整できます。
■Tバー
オプションではカーボンとFRPが選べ、さらにそれぞれに幅が3種類ずつ用意されています。これに交換してTバーの動き(ビヨンビヨンとねじれ)を調整します。サーキットの路面や気温・湿度に影響されるので、どれを付けるとどうなるという方程式のようなものは存在しません。ひとつずつ交換して実際に動きを確かめてみるのがベストです。
サードパーティ(純正以外)からも多様なTバーが発売されていますが、訳が分からなくなるので純正で試すのがよいでしょう。
ミニッツを楽しんでいる殆どの中級以上の人が、オイルダンパーとオプションTバーを取り付けています。前にも書いたようにミニッツのモータケースはTバーによって前後方向(ピッチング)にも左右方向(ロール)にも動きます。オイルダンパーを最初に取り付けてみて、ロールの制御ができないことに気付きTバーの硬さを変えているというのが現状のようです。この時にせっかく先に取り付けたオイルダンパーは勿体なくて外さない人が多いのでしょうが、本当に両方とも必要かどうか考えている人は案外少ないのかも知れません。
実際にはオプションTバーはノーマルのプラTバーより硬いものから柔らかいものまであり、場合によってはビヨンビヨンがひどくなってしまうため、オイルダンパーを併用する必要が出てくることがあります。
■フリクションダンパー
これはシャーシ側に取り付けたプレートを、モーターケース側のシャフト上にプレートの上下から挟み込むようにディスクを取り付け360度全方向に摩擦抵抗を発生させるものです。京商純正の場合、プレートもディスクもカーボン製なのでグリスをディスクに塗布し効きを調整します。調整がうまくいけばプラTバーでオイルダンパーなしの状態でもかなりモーターケースの動きをうまく抑制できますが、調整には経験と勘が必要で上級者専用パーツと言えるかも知れません。R246製の場合はディスクが樹脂になっていて、また違った動きが楽しめます。さらにディスクをプレートに圧着させている小さなスプリングの長さや硬さを変えることでも、効き具合は大きく変化しますので時間をかけてチャレンジしてみると良いでしょう。
オイルダンパー・オプションTバー・フリクションダンパーのフルセットをよく見かけます。ひとつずつ増えていったのでしょうが、果たしてうまく調整できているのでしょうか。調子が悪くなった時に的確にどれをどうすればよいのか判断できているのでしょうか。
もちろん全部が必要と感じ、それが的確に調整できる人はそれでよいのですが、そういう人はたいていの場合は圧倒的に速いので外観だけを真似して同じことをしても同じ速さにはならないでしょう。本当に速い人はパーツの一つひとつを徹底的に吟味し調整した上でそれが必要と判断し、0.1秒を削り取るために取り付けているのです。
オプションパーツ編 Part2へ続く・・・