イジるほど遅くなる?初心者のミニッツ

サーキットで走っているミニッツを見ると、色んなパーツが追加されています。もちろん追加されているパーツ一つひとつには意味があり正しく使えば効果を発揮します。でも初心者の人が真似をして色んなパーツを付けても速くはなりません。初心者のミニッツがベテランより遅いのはパーツが付いてないからではありません。操縦がヘタだからなのです。パーツを付ける前にちゃんとノーマルシャーシの基本的な構造を理解し、自分にとって何が必要なのかを理解しなければ速く走らせることは不可能なのです。

チーム・ガムにもN6というカテゴリが存在します。タイヤとベアリング以外のオプション装着を一切禁止し完全ノーマル(箱出し状態)で走っています。それでもミニッツは実に良く走ります。初心者の走行練習はこの状態で行うのが良いでしょう。ガムのメンバーはいつでも一緒に走ってくれます。どのくらいついて走れるようになったか時々チェックすると良いですね。この状態でエムズサーキットを12秒を切れるようになったらもう大丈夫です。突然新しい世界が拡がります。
早くそうなるために今回はミニッツの基本的な構造について考えてみます。

■ Tバー

ミニッツをひっくり返すと分かりますが、メインシャーシとモーターケースはTバーと呼ばれるパーツで繋がっています。車軸が通っているモーターケースの動きを制御しているTバーの動きには2種類あります。下敷きを曲げても真っ直ぐに戻ってしまう原理で縦方向(ピッチング)・ねじっても戻ろうとする原理で横方向(ロール)を制御しています。初期状態ではプラスチックのTバーが付いていて、MM・LMとRM・HMでは長さが違います。ミニッツに採用されている後輪左右が1本の車軸で繋がっているDD(ダイレクトドライブ)方式の最大のメリットは、後輪のサスペンションを左右別々にセッティングをしなくて良い事ですが、その分左右のバランスには注意が必要ですし、プラTバーは使っていると突然割れたり裂けたりすることがあるので予備を持っていると良いでしょう。

■リアスプリング

ミニッツの上面にはダンパーに似た形のスプリングが付いています。これはダンパーに似せてあるだけでオイルなどは入っていません。このスプリングは何のために付いているのでしょう。

薄い下敷きを曲げて離すと何度かビヨンビヨンと動きます。消しゴムなどの重いものを付けて同じことをするとその回数が増えます。モーターケースはこの消しゴムと同じでTバーの反発による戻りが収まりにくいのです。スプリングを使って押し戻すことでこの何度もビヨンビヨンとなるのを抑え込もうとしているのです。

■フロントサスペンション

フロントを見てみるとリアに比べて複雑な構造になっているのが分かります。コーナーで前輪に入力があると、前輪を支えているナックルが上に動きます。ナックルを上から押さえつけているアッパーアームはシーソーの原理で反対側にあるスプリングを押して縮めます。それに対してスプリングが反発するという原理です。難しいですね。

フロントはリアと違って左右が別々に動きますので、きちんとしたセッティングが必要になります。スプリングが左右同じ長さになっているか、正しい位置に収まっているかをチェックするようにして下さい。

■ピニオンギア

ミニッツのモーターにはピニオンと呼ばれるギアが付いています。デファレンシャル機構を内蔵したスパーギアと咬み合っていて後輪にパワーを伝達しています。ピニオンには6から9までの歯数がありますが、初期状態では6Tが装着されています。歯数が増えるほどに最高速は伸びるようになりますが、加速は悪くなります。自転車の後輪に付いている変速機とは理論が違いますので勘違いしないようにして下さい。慣れるまでは6Tのまま練習することをお勧めします。

■オプションパーツ

ミニッツには様々なオプションが存在します。しかしこれらを装着するには基本的な構造をしっかり理解する必要があります。自分の好みの動きにするために装着すべきパーツが何なのか分からないままで取り付けてもノーマルより速くはなりません。むしろ手が付けられない状態に陥る事がよくあります。レーシングカーであるミニッツにファッションで取り付けるオプションパーツなんてないという事です。